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設備停止リスクを最小化! NSK石部工場が実践する在庫管理DX

はじめに

日本精工株式会社様(以下、「NSK」)は、国内初のベアリングメーカーとして誕生し、国内シェアナンバーワンを誇るリーディングカンパニーです。自動車や産業用機械など、幅広い業界で活用されるベアリングの製造を手掛けています。
今回は、NSKの石部工場で1年以上にわたりKG ZAICOをご利用いただいている事例を紹介します。熱処理課の藤瀬様、川野様に、KG ZAICO導入の背景やその効果についてお話を伺いました。

現在の担当業務を教えてください。

石部工場では主に自動車用のベアリングを生産しています。自動車用ベアリングには高い強度が求められ、その実現には熱処理が不可欠です。この工程では従業員が三交代体制、24時間稼働しています。熱処理工程に支障が出ると後工程にも影響を及ぼすため、安定した稼働を維持することは私たちの重要な役割となっています。

ベアリング

KG ZAICOの導入背景を教えてください。

予備部品に欠品が生じると、場合によっては熱処理設備を停止せざるを得ません。そのため、欠品を防ぐには厳格な部品管理が求められます。以前はエクセルを使って在庫管理を行っていましたが、入出庫作業や在庫数の確認をパソコンの前でなく、場所を選ばず行いたいという現場のニーズが高まり、いくつかの提案の声が挙がるようになりました。そこで、在庫管理をより効率化するために在庫管理システムの導入を検討しました。

部品倉庫

数あるサービスの中からKG ZAICOを選定した理由を教えてください。

在庫管理システムの選定にあたっては、クラウドベースのシステムを対象に、3社の異なるシステムでトライアル利用を行いました。その結果、他社システムにはない、管理項目を自由にカスタマイズできる機能を備えていたことが決め手となり、導入を決定しました。
熱処理課では、部品ごとに代替品の有無やリードタイムなどの視点でクリティカル度を設定しており、クリティカル度が高い部品は必ず在庫を持つ必要があります。このような管理を実現するためには、項目の追加や名称設定を自由に設定できる高い柔軟性が不可欠でした。
また、運用価格がリーズナブルで、扱いやすい操作画面デザインも重要なポイントでした。 

KG ZAICOアプリ - 在庫一覧画面

KG ZAICOを導入した効果、満足している点について教えてください。

業務の見直しによる作業効率化

エクセルで在庫管理をしていたときは、誤入力を防ぐために、受入・払出データの登録は平日出勤の技術スタッフが担当していました。しかし、熱処理は休日も稼働しており、その間に部品が必要になるケースも少なくありません。その場合、現場管理者の班長が部品を探した後、払出表に手書きで記入しておき、平日にスタッフがエクセルへデータ入力するといった非効率な運用が続いていました。
KG ZAICO導入後は、班長にもアカウントを発行し、部品を払い出した際に出庫データを直接登録できるようになりました。QRコードを読み取るだけで簡単に作業できるため、作業ミスのリスクも軽減され、特に出庫作業の効率が大幅に向上しました。

払出表(左)と倉庫でのアプリ利用シーン(右)

設備の復旧時間が劇的に短縮

以前は、部品の置き場所を担当のスタッフしか把握しておらず、部品管理が特定のスタッフに依存していました。休日に部品が必要になると、スタッフが不在のため班長が探すことになりますが、数千種類ある中から、すぐに見つけられず、対応が遅れることもありました。
KG ZAICO導入後は、班長がアプリを使って部品の置き場所を簡単に検索できるようになったため、スタッフが不在の休日でも必要な部品を迅速に見つけることができ、万が一の設備停止時も短時間で復旧できるようになりました。

作業が平準化され属人化を解消

エクセルでの管理は属人的になりがちで、「この部品は早めに発注すべき」といった判断も担当者の経験に依存していたため、担当が変わると業務品質の維持が課題となっていました。
KG ZAICO導入後は、在庫情報がシステムで可視化され、定量的な基準に基づいた業務判断が可能になったことで、業務の標準化が進み、効率的な運用が実現しました。
さらに、アプリは直感的に操作できるため、特別な教育を受けることなく、誰でもすぐに在庫管理業務を行えるようになりました。その結果、作業が特定のスタッフに偏ることがなくなり、業務の平準化が実現しました。

在庫に関する意識改革

KG ZAICOの導入を契機に、倉庫のレイアウトの見直しを行いました。スタッフや班長など関係者全員で「よりよい在庫管理のあり方」について議論を重ね、システムの活用だけでなく、運用の見直しや物理的な配置改善など、ハードとソフトの両面で最適な形を模索できたことは大きな成果です。
まだ改善の途中ではありますが、この取り組みを通じて、部署内の在庫管理に対する意識が向上し、管理の精度も着実に向上しています。

今後の業務や運用における展望について教えてください。

会社全体で在庫を最適化

石部工場以外にも、当社には複数の工場があります。工場ごとに保有している生産設備は異なりますが、共通で使用される部品も少なくないはずです。特にリードタイムの長いものや高価な部品については、工場間で在庫情報を共有することで、在庫の適正化やコスト削減につながる可能性があると考えています。

データ分析による在庫管理の高度化

KG ZAICOには、入庫・出庫データが蓄積されているため、これらのデータを活用して在庫管理をより最適化したいと考えています。例えば、在庫の回転率を分析することで、過剰在庫の削減や適正在庫の見直しにつなげることができます。また、購買データをもとに発注傾向を分析することで、適切なタイミングでの発注計画を立てられるようになり、さらなる業務の効率化やコスト削減が期待できます。

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