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三菱自動車 水島製作所の在庫管理DX! 工具4万点を効率的に管理するための秘訣
はじめに
三菱自動車工業株式会社様(以下、「三菱自動車」)の主力工場である水島製作所では、軽自動車や100%電気で走る環境性能に優れた車両を生産しています。水島製作所は、プレス工場から最終組立工場までの車作りの全工程を行い、エンジン組立工場・鋳物工場を含む世界でも稀な一貫生産工場です。
今回、水島製作所 工務部 生産改善担当マネージャーの池田様、生産改善担当主任の吉井様に、KG ZAICOの導入背景や効果についてお話を伺いました。
KG ZAICOの導入背景を教えてください。
工務部では、水島製作所内の全工場で使用されるドリルやチップなど、部品を削るための切削工具を中心に管理しています。納品までリードタイムが長い工具や大物の工具は工具室に保管されており、その種類は約1,300、合計で4万点以上にのぼります。これらの在庫は、自社開発のAccessベースのシステムで管理していましたが、数十年前に開発されたシステムであったため、維持・管理が困難となり、新たな在庫管理システムへの移行を検討していました。
数あるサービスの中からKG ZAICOを選定した理由を教えてください。
システムの移行にあたり、コストの観点からクラウドベースの在庫管理システムを検討しました。
4社のシステムを比較した結果、KG ZAICOを選定しました。その決め手は、操作性の高さとリーズナブルな価格でした。特に、画面が見やすく、QRコードやバーコードを活用して視覚的に操作できるため、非常に使いやすい点や、作業ミスを防げる点を評価しました。
さらに、トライアル利用の結果、一度説明を受けただけで年配の現場作業員全員が使えるようになったことも選定の大きな理由となりました。
KG ZAICOを導入した効果、満足している点について教えてください。
在庫管理業務の属人化を解消
工具室では、切削ドリルや溶接組立用チップのようにカテゴリ別にエリアを分けて管理しています。エリアごとに担当者が分かれていたため、以前は業務が属人的になり、担当者が不在の場合にはスムーズに作業が進まないこともありました。KG ZAICO導入後は、運用ルールが統一され、在庫情報が可視化されたことで、担当者が不在の際でも業務が円滑に進むようになりました。
入庫データを一括登録、業務効率を大幅改善
工具室では、水島製作所内のすべての工場で利用する工具を管理しています。工場の現場で工具が必要になると、工具室に取り寄せ依頼があり、必要に応じて工具室が一括して購買システムを利用して発注します。そして、発注した工具は工具室に入荷され、そこから現場へ供給されます。以前は、入荷時に発行される紙の情報をもとに、システムへ手入力で登録していましたが、年配の作業員が対応していたため、非常に時間がかかっていました。
KG ZAICO導入後は、購買システムからCSV形式の発注データを出力し、KG ZAICOに入庫データとして管理者が一括登録しています。作業員は現物を確認しながら入庫済としてデータを登録するだけで済むようになり、業務効率が大幅に改善されました。また、これにより人件費も抑えることができました。
リアルタイムで在庫を確認できる
以前のシステムでは、在庫数を確認するために、締め処理後に購入数量と払い出し数量を都度入力する必要がありました。KG ZAICO導入後は、いつでもリアルタイムに在庫を確認することができます。入庫や出庫の際にも即座に在庫数を把握できるため、工具室に保管されている実在庫と数量の差異があった場合、その場で気付き、迅速に対応できるようになりました。
棚卸にかかる時間と労力を大幅削減
以前は、棚卸に作業者5名で丸5日間(1日8時間、合計200人時)を要していました。KG ZAICO導入後、これまでに2回の棚卸を実施しましたが、作業者2名で半日(8人時)で完了するようになりました。大幅な時間短縮が実現した理由は、日々の入出庫作業時に在庫数を確認できるようになり、棚卸時に実在庫との差異が大幅に減少したことに加え、KG ZAICOでは誤差が発生した際のデータ修正も簡単に行えるためです。
今後の業務や運用における展望について教えてください。
理論在庫機能によって適正在庫を維持
KG ZAICOには、将来の入庫・出庫予定を見える化する理論在庫機能があります。この機能を発注リードタイムと組み合わせて活用することで、欠品や過剰在庫を防ぎ、適正在庫の維持が可能になると期待しています。また、発注のタイミングが明確になり、業務フローの標準化にもつながるため、近い将来、この機能を活用したいと考えています。
製作所間での在庫情報の共有
三菱自動車には水島製作所のほか、岡崎や京都にも製作所があり、それぞれに工具を管理している部門があります。しかし、現状では製作所・部門間で在庫情報が共有されておらず、同じ在庫や代替品を重複して発注してしまう可能性があります。在庫情報を共有できれば、製作所間や部門間で工具を融通し合うことで在庫コストを削減できると期待しています。中長期的には、在庫情報の一元化を進め、更なる効率的な運用を実現したいと考えています。
兼松株式会社に期待すること、ご要望があれば教えてください。
担当営業の丁寧な説明や提案、ヘルプデスクの迅速な対応には大変満足しています。さらなる業務効率の向上に向けて、引き続きご支援いただけることを期待しています。
兼松の担当から一言
是非、お気軽にお問合せください。