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ローカルスタッフの「楽しい」が生んだ成功!タイで実現した在庫管理改革
はじめに
兼松株式会社(以下、「兼松」という)の孫会社であり、自動車や機械関連で使用される鉄鋼製品を保管する倉庫を運営するタイの現地法人KANEMATSU SPECIAL STEEL SERVICE CO.,LTD.(以下、「KSS」という)では、1年以上にわたりクラウド在庫管理ソフト「KG ZAICO」をご利用いただいています。
今回は、兼松の現地法人であるKANEMATSU Thailand(以下、「兼松タイ」という)の社員であり、KSS非常勤役員でもある足立様に、KG ZAICOの導入背景やその効果についてお話を伺いました。
KG ZAICOの導入背景を教えてください
兼松タイでは、兼松グループが全社的に利用している基幹システム「FESTA」を利用して、在庫管理を行ってきました。しかし、FESTAは会計業務に特化しているため、在庫管理としての使い勝手が悪く、日々の在庫管理はエクセルで対応していました。エクセルファイルは顧客ごとに作成され、ファイル数は50を超え、担当者ごとに属人的な管理となっていました。
また、営業活動中にお客様から部品の在庫数を尋ねられると、毎回KSSのスタッフに電話で確認を依頼しなければならず、非常に非効率な状況でした。これらの課題を解消するため、在庫管理業務の改善が急務となっていました。
KG ZAICOを選定した理由を教えてください。
KG ZAICOを選定した最大の理由は、その使いやすさから、スムーズに運用を始められると判断したからです。実際にアプリを利用するのはKSSの現地採用タイ人スタッフであり、彼らがすぐに使いこなせるものでなければ意味がありません。タイではスマートフォンの普及率が高く、ITへの関心が高いという背景もあり、トライアル利用を実施した結果、全スタッフが短期間で使いこなせることが確認できたため、導入を決定しました。
さらに、倉庫の現場でスマートフォンを活用し、その場で在庫情報を確認・更新できる点も大きな魅力でした。
KG ZAICOを導入した効果、満足している点について教えてください。
「楽しい」から現場に浸透、自然に定着
現場スタッフから、「アプリを使うのが楽しい」という声が多く寄せられています。スマートフォンのカメラを使って写真を撮影し、ボタンをタップするだけで簡単に在庫情報を登録・更新できる点が評価されています。この「楽しさ」が現場への自然な浸透と継続的な利用につながっており、導入して非常に良かったと感じています。
在庫ズレを70%削減、管理精度向上に成功
以前は週に1回エクセルファイルで在庫情報を更新していましたが、入出庫時にその場で更新できず、作業が後回しになることが多々ありました。その結果、エクセルファイルのデータと実際の在庫数量に乖離が生じ、在庫ズレが発生していました。
先程もお話しましたが、KG ZAICO導入後、KSSの現場スタッフが楽しみながらその場でアプリを利用して情報を更新するようになり、この在庫ズレを70%削減することに成功しました。
棚卸業務を大幅に効率化
KSSでは年2回棚卸を行っていますが、KG ZAICO導入前は10人で丸2日かかっていました。導入後は4人で1日半に短縮され、スタッフ数を60%削減しつつ、作業時間も25%削減することができました。
商談時に在庫情報を確認、信頼度アップ
商談中にお客様から在庫数について質問された際、その場でアプリを利用して即座に回答できるようになりました。この迅速な対応により、お客様からの信頼度が向上し、営業活動にも良い影響を与えています。
今後の業務や運用における展望について教えてください。
サプライチェーン間での情報活用、業務効率化
現在、KSSのスタッフが入庫時にQRコードを印刷して部品に貼り付けていますが、メーカー側であらかじめQRコード付き部品情報を提供してもらえれば、さらに効率的な入庫処理が可能になると考えています。これはサプライチェーン全体での取り組みが必要ですが、中長期的な目標として実現を目指したいと考えています。